コラム
Column
地域一番店化の切り札「ショップ・アイデンティティ」とは?
経営の成否を左右するショップアイデンティティ
繁盛店には、他店にはない「強み」がある。
地域一番店を目指すには、「強み」を発見しなければならない。
そして、その強みをアピールし、従業員や顧客と強みを共有できたときに、集客力も売上も向上し、地域で優位なポジションが築けるようになってくる。
このような状態を、「ショップ・アイデンティティ(SI)」が確立している、と言う。
市場の成熟化が進行するにつれ、ニーズの多様化が進み、マーケットは細分化されていっている。大型小売業は業態で差別化をし、客層や商品を絞って、特色のあるコンセプトを掲げながら市場を差別化している。
しかし、市場の隙間は必ず存在している。小さな企業は大きな企業にない強みを発見し、それに集中・特化することで、勝負していくことが必要なのである。
ショップ・アイデンティティ(SI)を確立するためには、2つの過程を踏む必要がある。
1つは、自店の強みを発見し、そこに集中するという過程である。
すでに強みが明確になっているという場合は良いが、何が自店の強みなのかが分かっていないことや、どの強みに集中するべきか判断がついていない場合の方が多いであろう。
そういった場合は、顧客の声から強みを見出すという取り組みを試してみてほしい。意外と弱みだと思っていた部分に、強みが隠れていたりする。
たとえば、「調理に時間がかかる」という弱みは、同時に、「手作りへのこだわり」という強みが隠れているかもしれない。
強み・弱みを一番よく知っているのは顧客であるから、顧客本位で分析をすることで新たな方向性を見いだせることは少なくない。
2つ目の過程は、明確になった強みを徹底し、伝達していくことである。
「誰に」「何を」「どのように売るのか」を明確にし、SIを徹底していくと面白いようにお客様が集まり、売上を上げることができる。特に、集客効果が高い看板でSIを徹底していくことによって、集客効果が高まっていく。
そして、ここで集まってくる顧客は、あなたのお店の強みを気に入ってくれた、リピーターになる可能性が高い顧客ばかりなのである。
こうして、差別化した一分野でトップになることによって、地域トップブランドが成立するようになる。
大手企業でもない限り、マーケットサイズが大きい領域で勝負する必要はない。中小店舗は、マーケットサイズを意識せずに、市場の空白地帯を探して、そこに確固とした地位を確立することに努めるのが定石である。
このように、ショップ・アイデンティティ(SI)を上手く確立させられるか否かが、経営の成否を左右することになる