コラム
Column
売上アップにはロジックがある
看板で新規集客しないと、売上は上がっていかない
飲食店も小売店も、売上は客数×客単価で決まっている。
つまり、売上を伸ばそうと思えば、「客数を増やす」か「客単価を高める」しか方法がないのである。
まず、客単価から見てみよう。
リーマンショック以降、景気回復の兆しは見えず、まだまだ一般消費者の財布のひもは固い。
失業率が高い水準で推移し、平均年収が下がっている今のご時世に、商品価格を上げるのは至難の業であろう。もちろん、商品品質を高めたり、ボリュームを増やすのであれば、話は別だが、同等の商品に対して、値上げを実行すれば、客離れが発生する可能性は非常に高いと言わざるを得ない。
客単価を上げることは、確かに大事な売上向上の取り組みではあるが、客単価向上は、客離れのリスクをはらむ危険な施策であることを十分に認識しておくことが必要である。
一方、客数はどうだろうか。
客数は、新規来店客と、リピート来店客に分けられる。
リピート来店率は顧客満足度を高めることで、改善されていく。
店長やお店のスタッフは、顧客満足度向上を目指して、知恵を結集し、あらゆる努力を続けているはずだ。しかし、そうした懸命の努力にかかわらず、常連客だけをターゲットに満足度を高めても、売上は確実に低下していく。どれだけ満足度が高くとも、リピーターは必ず減っていくのである。競合店にリピーターを取られてしまうこともあるだろうし、お客が来店できない場所に引っ越してしまうかもしれない。また、家族構成が変わって、お店選びの基準が変わるかもしれない。
客単価のアップは、難しく、リピート率のアップだけでは現状維持すらできない。
店舗の売上を上げるためには、「新規来店客の増加」に目を向けざるを得ないのである。
新規来店客が増加し、来店した顧客の顧客満足度を高めれば、売上は増え続けるのである。
では、どうすれば新規来店客数を増やせるのだろうか?
方法としては、大きく次の4つがある。
(1)チラシの配布
(2)インターネット広告、フリーペーパー等
(3)セールスプロモーション
(4)看板の設置
チラシは、表現力に優れ、店舗の魅力・存在を広く認知させる効果がある。しかし、チラシの効果は、即効性はあるが、持続して売り込みたい場合や、お店を認知させることには向いていない。チラシは、割引券や目玉商品で興味を持たせて、来店を促進するのが基本だからである。
インターネット広告は、急激にその存在感を増しているものの、お客のインターネット使用目的が「比較」にある以上、インターネットで来店したお客は、インターネットを見て他のお店に行ってしまう傾向が強い。つまり、リピートしにくいという問題を抱えている。
セールスプロモーションは、キャンペーンやダイレクトメール等がそれにあたるが、チラシと同じく即効性はあるものの、あくまでも短期の販促策で、売上を持続的に伸ばすためには、多額の費用を投下し続けなければならない。
看板は、これら媒体の中で最も費用対効果が高い。
チラシや広告・セールスプロモーションが、「商品」を認知させることに優れているのに対し、看板は「店舗」を記憶させることに向いている。看板は潜在顧客に対し、店舗を「記憶」させ、さらに店舗近くに出かけている潜在顧客にアピールし、衝動的に来店させる力を持っている。
また、看板はチラシと異なり、一度見て捨てられることはなく、その場所を通る通行人全てに対して、持続的に効果を発揮することができる。
よって、看板は、他の販売促進策と比べると、費用対効果が良い。
看板の効果を軽視して、その他の販促を行っても成果は上がらない。
看板でしっかりと認知率を高めれば、その結果、チラシや広告の反応率も高まり、相乗効果を期待できるようになる。
まとめると、看板で新規集客しないと、売上は上がっていかないということになる。