コラム
Column
相模原のバイクショップが誘うバイクの冒険 ー 野立て看板が描く未来への道しるべ
神奈川県相模原市。街もあれば山もあり、川も湖も森もある街。この街を車で走行していると、不意に視界に入るバイクショップの野立て看板。道路沿いに立つその看板は、観る者にどのような感情を想起させるのでしょうか。ひょっとしたら、看板が目に入るたび、徐々にバイクへの関心が膨らんでいくかもしれません。あるいは、看板で記されたバイクショップに関心を抱くかもしれません。もしかしたら、自分もバイクを走らせる未来を想像するかもしれません。そんな、一本の看板がもたらす物語をお届けしましょう。
モトショップ輪童の看板 ー 潜在意識に刻まれる「覚えている店」
神奈川県相模原市緑区青野原に立つ「モトショップ輪童」の野立て看板。この看板は同ショップ整備工場の案内看板ですが、単なる情報発信ツールに留まらず、視覚的なインパクトを通じて、人々の無意識の中に深く浸透していくブランディングツールとなっています。
看板には、バイクに乗る二人の子供の写真が使用され、視認性を高めるために赤色を看板の板面全体に使用したインパクトの強いデザインを採用しています。また、この看板は表と裏の両方を使用した両面看板となっており、表面には「いってらっしゃい」、裏面には「お帰りなさい」というメッセージが大きく掲げられています。さらに、夜間でも車のライトに反射して視認可能なように、反射式シートが貼られ、昼夜を問わず高い視認性を維持しています。
この「モトショップ輪童」の看板は、一度目にしたら印象に残りやすい。設置された道路を日常よく使用する人は、繰り返し目にすることで、潜在意識の中に「バイクを買うならあの店だ」といった思いが自然に育まれていく可能性が高くなるはず。特に、バイクショップのように特定の趣味的なコミュニティに訴求する店舗では、こうした潜在意識への訴求は大きな意味を持ちます。何度も目にすることで、その店が購買の選択肢の候補として浮かび上がる。このような広告効果は、野立て看板の強力な特性のひとつです。
地域と繋がるバイクショップ ー 地元の信頼と口コミ
「モトショップ輪童」のコンセプトは、昔の名車をレストアして販売するバイクショップです。「あの頃の名車がありますよ」と語る同店の女性スタッフ。ホンダの名車CBX400Fに乗る生粋のライダーでもあり、バイク女子でもあるスタッフさん。このようなスタッフが店内にいるだけで、バイク女子が立ち寄りやすい店舗になっています。そして事実、お客には女性――バイク女子も多い。
看板設置前、「モトショップ輪童」は、「知る人ぞ知るバイクショップ」でした。そのため、店内にバイク女子がいることや、名車のレストアをしていること、さらに専用の整備工場があることは、あまり広く知られてはいませんでした。つまり、認知度が一般的には足りなかった。しかし、看板設置後は店舗を訪れる顧客から「看板を見た」「目立つ看板だね」という声が聞かれるようになり、その広告効果が少しずつ現れています。ライダーたちの会話の中で、「あの看板のバイクショップ、親切でいいよね」といった言葉が生まれ、それがさらに認知度を高め、これからの集客効果に繋がることが期待されます。
野立て看板は、店舗の存在を地域内で広く知らせる役割を果たし、そこから生まれる信頼感や親近感が、実際の来店や購買行動に結びついていきます。特にバイクのような高価な商品を購入する際には、信頼できる地元の店舗で購入したいという心理が強く働きます。そのため、地元住民に親しまれ、認知されることは、ビジネスの成長にとって極めて重要な要素となります。
冒険への誘い ー 看板が描く自由な未来
バイクに乗るという行為は、単なる移動手段を超えた意味を持ちます。それは、自らの意志で風を感じながら未知の道を進む冒険であり、自由の象徴です。「モトショップ輪童」の看板を目にするたびに、どこか遠くへ行きたいという衝動が湧き上がってくるかもしれません。
「いつかこのバイクに乗って、遠くの山々へツーリングに行こう」。そんな夢を看板を見るたびに思い描き、その夢がいつしか具体的な行動に変わる。「モトショップ輪童」は、そうした夢を支える存在。冒険の始まりは、もしかするとその一枚の看板を見た瞬間から始まっているのかもしれません。