コラム
Column
視認性とインパクト ~ゴリラの看板が街にやってきた!
2024年11月18日
ゴリラが飛び出す?三郷市の新しい風景
埼玉県三郷市のとある街道を走っていると、視界に飛び込んでくるのが、迫力満点のゴリラのイラストが描かれた看板です。工具を持つ力強いゴリラ。その姿は、道行く者の目を引かずにはおきません。
「道具にこだわる、プロの選択」というキャッチコピーとともに、ゴリラのイラストが大きく描かれたこの看板。「三郷道具屋」というホームセンター、プロフェッショナルな工具&道具を販売する店舗の野立て看板です。
地域に住む人々がこのユニークな看板を見るたびに、「ここにはプロ御用達の道具屋がある」との認識を、無意識のうちに記憶に刻み込むことになります。その結果、店舗への集客に繋がっていく。通行人の好奇心を刺激するインパクトがあります。
初出店の難しさと看板広告の重要性
三郷道具屋は、このエリアへの初めての出店ということで、いくつかの重大な課題に直面していました。
店舗は高架下近くに位置しており、通行人からは視認が難しい立地にあります。このため、新規参入の「道具屋」としては、認知度を向上させることが至上命題でした。
特に道具小売業界では、DIY愛好者やプロフェッショナルな職人たちを主要ターゲットとしているため、まず「ここにプロ御用達の道具屋がある」という認識を地域住民に確実に広めることが求められました。
そこで選ばれたのが、強いインパクトを持つ野立て看板という広告手法でした。
同社の野立て看板は、店舗から400メートル地点と5キロメートル地点の2か所に設置され、それぞれ異なる役割を持たせるように設計されています。遠方の看板は「道具屋」の存在を広く知らせるためのものであり、近距離の看板は「もうすぐそこ」という、消費者を実店舗へと誘導する役割を果たします。
さらに、この看板広告の効果を最大限に引き出すため、デザインには数々の工夫が凝らされています。
ゴリラの視認性のインパクト
看板のデザインに描かれた力強いゴリラキャラクターは、そのユーモラスでかつ強烈なビジュアルで、通りを行く車や歩行者に強い視覚的インパクトを与え、思わず目を止めてしまうような魅力を持っています。
特に、「ウホッ!とうなるプロ道具」というキャッチーなフレーズが添えられた看板は、通行人の注意を引くだけでなく、その強烈な印象が記憶に残りやすいという特長があります。
このフレーズは、道具屋が提供する商品がいかに特別であるかを示し、DIY愛好者やプロの職人に対して「この店に行けば良い道具が手に入る」という期待感を抱かせるのです。また、ゴリラのキャラクター自体が「力強さ」「頼りがい」といったポジティブなイメージを象徴し、それが消費者に安心感を与える効果も期待されています。
400メートル先の看板には、「道具にこだわる、プロの選択」と記されており、直感的に今すぐ立ち寄りたくなるような訴求力があります。
このような異形認知のデザイン看板は、通常の広告にはない奇抜な要素を取り入れることで、道具屋の存在を一層「印象的」にしました。人々が一度見たら忘れないほどのインパクトを持つゴリラのデザインは、消費者の感情に深く訴えかける力を持つものになったのです。それは、看板設置後にすぐ、「集客」という効果で証明されています。
看板の反響
実際に看板が設置されると、その効果はすぐに現れました。
「看板を見てきました」というお客様の声が増え、三郷道具屋は看板広告の効果を実感するに至りました。特に、5キロメートル地点の看板を見た後に来店するというお客様が多く、その看板が三郷市の住民の生活導線に沿って、的確に店舗へ誘導することに成功していることがわかりました。
また、高架下という視認性に劣る立地にある店舗が、このゴリラ看板を通じて「近くにある頼れるホームセンター」として地域に認識されるようになったことも成果と言えるでしょう。ユニークな看板が街の一部となり、人々の記憶に深く刻まれた結果、三郷道具屋は、地域社会に密着した存在となったのです。
野立て看板でブランディング効果
今後の展望として、さらに多くの看板を戦略的に設置し、地域全体に道具屋の存在を広めていくことが考えられます。
例えば、地域の主要な交差点や近隣市町村へのアプローチとしての看板設置を行うことで、広域からの集客を狙い、さらなる成長を目指せます。商圏の拡大です。
ゴリラのキャラクターは既に三郷市のシンボル的存在となりつつあり、今後もこのユニークなキャラクターを上手に活かすことで、この地域内でのブランド力を確実に構築することができるでしょう。