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コラム 2024/05/17号 創造性の新たな地平を拓く—『Erasing is Creating』キャンペーン広告に見るファーバーカステルの挑戦

創造性とは何でしょう。

多くの人々が、創造性とは何か新しいものを生み出す行為だと捉えがちです。しかし、創造性は常に「足す」ことから生まれるわけではない。時には「引く」ことから、予想もしないほど豊かな表現が生まれることがあります。この視点を鮮やかに示したのが、筆記用具メーカーとして250年以上の歴史を持つファーバーカステルです。

ファーバーカステルは、2023年2月、ブラジルで「Erasing is Creating」(消すことは創造することである)と題した新しい広告キャンペーンを開始しました。

このキャンペーンでは、消しゴムが単なる間違いを修正する道具ではなく、クリエイティブなプロセスの一部として機能することを提案したものになっています。消しゴムを使ったビジュアル広告は、野立て看板、新聞、そしてSNSを通じて広く発信されました。

キャンペーンの中核をなすのは、消しゴム使用前後のビジュアル表現です。

例えば、どこかの惑星とおぼしき地面に座る男女のイラストでは、消しゴムで周囲を消すことによって宇宙服を着ているかのような視覚効果が生み出されました。

また、魚を釣り上げた男性のビジュアルでは、消しゴムで海の一角を消すことによって海が割れる様を表現し、モーゼの奇跡を思わせる創造的な表現が展開されました。

さらに、自撮り棒を持つ女性が夜空と明るく光る星を背景にするシーンも、消しゴムの効果で幻想的な雰囲気のクリエイティブに変身。

これらのビジュアルは、創作活動において「引く」ことの意味と価値を訴えかけるものになっています。消しゴムは、削除という行為を通じて新たな空間を生み出し、視覚的なサプライズや新しい視点を作品に加えるアイテムとして再定義されているのです。

このキャンペーンは屋外広告(野立て看板)、新聞広告、そしてソーシャルメディアで展開され、多くの人々に新しい創造性の形を提示しました。広告業界からも高い評価を受けており、創造性が単なる発想の転換ではなく、深い洞察と細やかな感受性から生まれることを示しています。

「Erasing is Creating」キャンペーンを通じて、ファーバーカステルは創造性に対する新たな視点を提供しました。

クリエイティブなプロセスは、常に何かを加えることで成り立つのではなく、適切なものを取り除くことで、より鮮明で意味のある表現が可能になる――このアプローチは、クリエイティブな思考を刺激し、従来の枠を超えた表現を可能にするものです。

創造性は、加えることだけでなく、引くことからも芽生える。このシンプルだが強力なメッセージを、自社の消しゴムを使って表現することで、ファーバーカステルは、自社商品のブランド力を高めることに成功しています。

■ブラジル・サンパウロ市内に設置された実際の看板はこちら

https://www.adsoftheworld.com/campaigns/erasing-is-creating#