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コラム 2024/02/14号 「普通を称える」斬新な看板広告戦略:個人とのつながりを作る広告の考え方
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「普通を称える」斬新な看板広告戦略:個人とのつながりを作る広告の考え方
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Celio、フランスに根ざすファストファッションの代名詞。
その彼らが最近、業界の常識を覆すキャンペーンを展開し、ファッション界に小さな革命をもたらしました。
彼らのアプローチは「be normal.(普通であれ)」という洗練されたシンプルさで共感を呼んでいます。
ファッションブランドといえば通常、憧れの象徴。
しかしCelioは、その定番商品の広告において、「豪華さ」を排除したのです。
なぜなら、彼らにはこのような哲学があるからです。
「我々の顧客はどこにでもいる普通の男性たちなのだから」 ここには深いマーケティングの洞察があります。
より広いターゲット層にアプローチする際には、商品が広告を通して「自分のもの」と感じられるかが重要です。
このコンセプトを現実のものとするため、CelioはGoogleストリートビューを駆使しました。
この選択が意味するのは、街角で捉えられた「普通の」瞬間を切り取ること。
Celioの衣服を着た一般人のスクリーンショットを、野立て看板のビジュアルとして利用することで、
彼らは知らず知らずのうちにモデルになったのです。
キャンペーンはフランス全土で展開され、数週間にわたり街の風景と一体化しました。
Celioがこの道を選んだ背景には何があるのでしょうか?
競合他社が洗練された雰囲気や非現実的な美を追求する中で、Celioは敢えて反対側へと舵を切りました。
この思い切った戦略は、顧客自身の日常と直結するブランドイメージを構築する上で、
画期的な一歩だったと言えるでしょう。 さて、この意表をついたキャンペーン、効果も絶大。 キャンペーン終了後、特にSNSでの反響が大きく、Celioはそのマーケットポジションをしっかりと確立することができました。
その結果、ブランドへの潜在的な興味をターゲット顧客に与えることができたのです。
結局のところ、Celioのこの試みは、広告の常識を再考し、
時代とともに変化する「定番」の意味を探るきっかけを私たちに与えています。
豪華さではなく、実生活との関連性に焦点を当てることで、消費者は自分たちの姿を見ることができ、
それがまさに「自分のためのブランド」であることに気付かされる。
Celioのこの戦略は、ファッション業界ばかりでなく、
あらゆる業界において自社ブランドを確立するために必須な、顧客とのつながり強化を実現する、
新しいアイデアを与えてくれています。
■実際の看板写真はこちら